専門知識コラム
2020年08月31日

殺菌の仕組みとは?そのメカニズムについて詳しく解説

殺菌の仕組みとは?そのメカニズムについて詳しく解説世の中にはアルコールをはじめとする殺菌アイテムが存在していますが、どのように殺菌されているのかご存じの方は少ないのではないでしょうか。使用方法を守るだけでなく、そのメカニズムを理解することで正しく効果的な殺菌が可能です。

そこで今回は、殺菌の仕組みについてご紹介いたします。この記事を参考に、殺菌の仕組みの知識を日々の対策に活かしてください。

殺菌とは

殺菌とは、菌を死滅させるための操作のことです。菌にも種類があり、糸状菌と呼ばれる有害性や病原性をもち合わせているものや、細菌と呼ばれるものが代表的です。殺菌といっても、必ず菌を死滅させるわけではありません。あくまでも死滅させることを目的としているだけで、実際にその結果を保証されているものではないのです。

菌には人体に影響があるものとないものが存在します。厳密には影響がない菌というものはほぼないに等しいのですが、ここでいう影響がないというのは害がないという意味です。人体に付着している害のない菌を常在菌といい、この菌があることによってむしろ病気などが発症しにくくなっています。

しかし昨今の新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなど、私たちの生活は常にウイルスと隣り合わせにある状態です。ワクチンなど治療法が確立していればそれほど脅威ではありませんが、そうでない場合には発症してしまったときの致死率も高いです。

そのため、殺菌というのはとても効果的な予防手段といえるでしょう。感染してしまう前に菌を出来る限り死滅させることで、感染リスクを下げます。

物理的な殺菌

殺菌の手段にはいくつかの種類があります。一般的に家庭でも可能な手段としては、スプレーやウェットティッシュなど液体を使ったものがありますが、それだけではありません。物理的な殺菌方法には、以下のものがあります。

加熱殺菌

細菌などの微生物は有機物で構成されていますので、熱に弱いという性質をもっています。それを利用して100℃以上に加熱することで、死滅させるという方法です。

汚染された洋服などの処理には、焼却することで同じく熱を利用した殺菌効果に期待ができます。ガラス製品などのように耐熱性で水分を含まないものに関しては、専用のオーブンを使って180℃もの高温で2時間加熱することで、乾熱滅菌という手段が用いられています。

紫外線殺菌

あまり知られていないかもしれませんが、紫外線にも殺菌効果があります。照射量によって殺菌性能は変化することと、透過性が低いので影になってしまう部分に関しては、効果が非常に薄くなってしまうというのが特徴です。

クリーンルームや滅菌庫などで蛍光灯のようなものが使用されていますが、それらは紫外線による殺菌のための消毒殺菌灯と呼ばれる殺菌効果をもつ灯りです。

圧力殺菌

圧力を加えることで菌を死滅させる方法で、主に食品に用いられることが多いです。なぜなら、加熱殺菌と違って味や香りなどを変化させることなく殺菌が可能だからです。

食中毒防止のために殺菌はすべきですが、そのせいで味や香り、色などが劣化してしまってはあまり意味がありません。品質を維持したまま殺菌ができる圧力殺菌は、まさにベストな手段といえるでしょう。

化学的な殺菌

物理的な殺菌のほかに、化学的な殺菌手段もあります。アルコール消毒などはこちらに分類されます。

ガス殺菌

アルキル化剤の気体であるホルムアルデヒドやエチレンオキシドなどを充満させた空間に、殺菌したい対象物をおいておくことで殺菌をする方法です。熱に弱い器具などでは加熱殺菌ができないため、この方法を用います。

また、汚染した建物を殺菌する場合には、ホルムアルデヒドを用いるのが一般的です。この方法で使用するガスはどれも人体に対して有害となりますので、殺菌時や殺菌後の処理をしっかりと行う必要があります。

消毒剤殺菌

エタノールやフェノールなどの水溶液を薄めた状態で行う殺菌方法です。アルコールなども同様です。普段消毒をする際に用いられるポピュラーな殺菌方法といえます。

殺菌の仕組み

殺菌にさまざまな手段があることはわかりましたが、重要となるのはそのメカニズムです。それぞれの殺菌方法で、どのようにして菌が死滅するのでしょうか。

たとえばエタノールなどのアルコールの場合ですと、濃度によってメカニズムに違いがあります。

濃度20%〜40%程度の中濃度の場合、菌にアルコールが付着することで、細胞質膜と呼ばれる細胞質を覆っている薄い膜に変化が生まれます。その変化によって菌内部に含まれるアミノ酸や核酸、マグネシウムなどの成分が漏れ出し、菌が栄養成分を取り込めなくなり、菌そのものが飢餓状態に陥って最終的に死滅していくというメカニズムです。

濃度40%以上の高濃度アルコールの場合には、変化どころではなく菌の細胞が破壊されてしまうため、急激に死滅してします。圧力殺菌の場合も、菌に対して急激な圧力を加えることにより、菌の細胞が物理的に損傷して死滅します。

つまり、いずれの場合にも菌の細胞にダメージを加えることで破壊し、死滅させるという仕組みです。

まとめ

今回は、殺菌の種類と仕組みについてご紹介しました。殺菌にはさまざまな方法があり、菌の細胞を破壊するというのが代表的なメカニズムです。

「アルケミスト」では、オフィスや社内などさまざまな場所において除菌、殺菌処理の施行をしています。新型コロナウイルス感染症予防にも効果的ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。